2LターボのFRからプラグインハイブリッドのAWDまで幅広く揃う
2017年2月22日、メルセデス・ベンツは、新たなSUVモデル「GLCクーペ」を発表した。
GLCクーペはメルセデス・ベンツのラインアップでミドルクラスに位置する「Cクラス」のSUVである。これまでもGLCはラインアップされていたが、よりスタイリッシュなフォルムを実現したのがGLCクーペだ。
とくにリヤは、ルーフラインからリヤゲートまで滑らかに落ち込んでいくデザインにより、スポーティかつアーバンライクなイメージを演出している。
またフロントグリルも力強い印象のGLCが2本のルーバーを採用するのに対し、シングルルーバーで精悍な雰囲気を醸し出す。その上でバンパー下部にはアンダーガードを備えるなど、SUVとしての矜持が随所にみられる。
パワートレインは5種類。
・GLC200クーペ/GLC200クーペ スポーツ
2リッター直4ガソリンターボ(184馬力/300N・m)
・GLC220d 4MATICクーペ スポーツ
2.2リッター直4ディーゼルターボ(170馬力/400N・m)・GLC250 4MATICクーペ スポーツ
2リッター直4ガソリンターボ(211馬力/350N・m)・GLC350e 4MATICクーペ スポーツ
2リッター直4ガソリンターボ+モーター(211馬力/350N・m+116馬力/340N・m)・Mercedes-AMG GLC43 4MATICクーペ
3リッターV6ガソリンターボ(367馬力/520N・m)
このうちプラグ-イン・ハイブリッドのGLC350e 4MATICクーペ スポーツは7速ATを採用し、それ以外のモデルは9速ATを組み合わせる。
サスペンションはフロント4リンク、リヤマルチリンク。GLC250 4MATICクーペ スポーツとGLC350e 4MATICクーペ スポーツは減衰力が可変する「アジリティ コントロール サスペンション」、AMG GLC43 4MATIC クーペは「エア ボディ コントロール サスペンション」を採用し、残りのモデルはコンベンショナルなスポーツサスペンションとなる。
AMG GLC43 4MATIC クーペのエアサスペンションは、走行状況でダンピング特性が変化すると共に、高速走行では車高が下がり、またオフロードなどでは15mm車高を上げることができる。
素晴らしいのは安全面だ。全グレードに「レーダーセーフティパッケージ」を標準装備。これには歩行者検知機能ももった衝突被害軽減・回避ブレーキ。車線変更時に斜め後方の死角に車両がいるとドライバーに知らせる「アクティブブランドスポットアシスト」。前車との車間を自動で保ちつつ完全停止まで行い、さらに車線をキープするようステアリングアシストもする「ディストロニック・プラス」など、多数の安全デバイスが含まれる。
また、高速走行時に横風を受けても挙動が乱れないように自動で車両姿勢の補正をアシストする「クロスウインドアシスト」。縦列・並列駐車時、駐車スペースからの発進時にステアリング操作を自動で行ってくれる「アクティブパーキングアシスト」。ハイビーム走行時に前走車や対向車の部分だけ照射しないように範囲を自動制御する「アダプティブハイビームアシスト・プラス」など、快適なドライブをサポートする最新デイバスもすべて標準装備となっている点も見逃せない。
クーペスタイルであっても実用性は十分。たとえばラゲッジは、通常時で500ℓ、4:2:4分割のリヤシートバックをすべて倒せば最大1400ℓまで拡大できる。
また、最低地上高も175mmもしくは180mm(グレードによる)と、通常のCクラスに対して60mm程度高くなっており、多少の段差を気にしないSUVらしい使い勝手も確保している。
さて、気になるのはプラグ-イン・ハイブリッドモデルのGLC350e 4MATICだろう。前述の2リッターガソリンターボ+モーターで、システム最高出力は320馬力、最大トルクは560N・mに達する。
200V電源により外部充電した場合、満充電までの時間は4時間。EVモードでの航続可能距離は30.1km(欧州仕様値)となっている。走行モードの「HYBRID」「E-MODE」「E-SAVE」「CHARGE」を備え、バッテリーを充電したり、充電状況を維持したりと、状況に応じて切り替え可能だ。
このGLCクーペ発表と同日、GLCにも変更があり、2リッター直4ガソリンターボの2WDモデル、GLC200と、2.2リッター直4ディーゼルターボモデルのGLC220d 4MATICが追加された。
また、GLC250 4MATICに「エア ボディ コントロール」、GLC350e 4MATICとMercedes-AMG GLC43 4MATICの2車種にヘッドアップディスプレイを標準装備とする、装備変更が行われた。