最新スタッドレスとイザというときの知識があれば2WDでも大丈夫
「最新のスタッドレスは最良のスタッドレスタイヤ」。日進月歩の技術進化だ。ほとんどのタイヤメーカーにそれは言える。唯一、価格と性能で見ると、旧商品でも納得できる場合(予算とのバランス)はあるだろうが……。
一方で、雪道は4WDじゃなければ走れない!? というイメージがまだまだあるだろう。しかし、そんなことは今のスタッドレスタイヤの進化を考えればありえない話。FF、FR、RR、MRで得意・不得意な路面状況はあるが、走行能力は確実に得られる。
というわけで、そんな疑問を検証すべくFFモデルと4WDモデルを用意し、雪上での走行性能を比較してみた。FFモデルのボルボV60クロスカントリーに最新のスタッドレスを装着、4WDモデルはボルボXC90だ。
今回装着したヨコハマの最新スタッドレスタイヤ「アイスガード5プラス」は、ユーザーが冬期のドライブに「安心」が持てるようにタイヤ性能を高めたものだ。
具体的には「氷に効く」=スーパー吸水ゴムの採用で氷上ブレーキ性能を最大17%向上させた。
「永く効く」=ゴムの柔軟性、つまりスタッドレスとしての性能を持続させる。勿論使用頻度によるが、4年後でも氷上性能の低下を抑えている。
「燃費に効く」=転がり抵抗を7%低減して、燃費効率を高めた。これには時代を感じる。スタッドレスで燃費なんて! とはいえ、ドライ走行が多いし、とくに非降雪地域では重要になる要素かもしれない。アイスガード5プラスには、低燃費タイヤ「ブルーアース」の技術が応用されている。
アイスガード5プラスを装着したV60クロスカントリーは、標準のサマータイヤに比べて乗り味が滑らかで心地いい。そしてコシの柔らかい特性は、地面と接する部分を柔軟にしつつ、雪と氷で重要なタイヤのブロックの角、エッジ効果をいかに持続させるかが技術の見せどころである。
高速走行で急転舵すれば一瞬のグニャっとする感覚はある。が、すぐに収束して安定姿勢に。その特性を理解すれば問題にはならない。そこは2WDも4WDでも変わりはない。
圧雪路は雪煙を上げるほどの走破能力がある。その分アクセルの踏みすぎなど、やりすぎな操作には要注意。
4WDとの大きな違いは駆動しない後輪が溝にハマった際にESCオフなど滑りやすい場所からの脱出方法を心得ているか否かが重要となる。たとえば、クルマを前後に駆動して、脱出のための勢いをつける……などだ。
氷上ではゼロ発進でグッと路面を咬むタイヤ特性を有効活用するといい。俗に言う急の付く操作をしないことがもっとも重要なのである。
以上のように、運転操作次第で、よほどの悪条件でない限り、2WD+スタッドレスで十分な走破性は得られると。というわけで、雪道ドラテクの習得がまず先決と言えるだろう。
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