制動性能重視のパッドの場合トラブルではなくても音が出ることも
⑤キャリパーのオイルシール・ダストシールの劣化
キャリパーのシール類は消耗品。5年に1度ぐらいはオーバーホールが必要。キャリパーのメンテナンス不足で、パッドが片減りしていたり、戻りが悪くなっていることも考えられる。
⑥パッドの摩材の問題
スポーツ走行など、ブレーキに大きな負荷をかけても、熱によるフェード現象が起きにくい、スポーツパッドに交換している場合は、摩材の関係で鳴きが出やすいこともある。スポーツパッドのなかでも、ストリートがメインのノンアスベストタイプなら、鳴きもダストも少ないものが多い。サーキットユース向きのメタル系パッドは、制動力や耐熱温度が高い代わりに、鳴きやダストは出やすくなる。輸入車の高性能車も、ブレーキの効きを重視し、ダストや鳴きには目をつぶる傾向がある。
簡単にいえば、制動力と鳴きやダスト量はトレードオフの関係になるので、ブレーキ性能を重視するなら、ある程度鳴くのは仕方がないと思って諦めることも必要だ。
⑦冷間時・走り出しだけ音が出る
真冬の朝などは、ローターもパッドも冷え切っているので、表面が硬くなり、異音が出やすい環境になる。しばらく走れば、ローターもパッドも温まり、鳴かなくなるようになるので気にしなくてもOK。また、洗車のあとや雨上がりで、ローターの表面に錆が浮いているときも異音が出ることもあるが、これもしばらく走れば錆が削られ解決する。
そのほか、ブレーキローターやキャリパー周辺の汚れも原因だったりするケースもあるので、汚れが目立つようなら、まずはブレーキクリーナーで洗浄してみることも有効だ。
いずれにせよ、何かパーツなどを交換したわけでもないのにブレーキを踏むたびに鳴きが出るようになったら、一度メカニックに見てもらおう。そのまま放置するのが、一番危険だ。