【試乗】新型VWティグアンはボディ拡大でも運転はラク! (3/5ページ)

気になるのはステアリングを切り出した瞬間の動きがナーバスな点

 一方で気になったのは、続いて走行した首都高速での走りだ。首都高速は速度域が60から80km/h程度で、左右コーナーが連続する場所もある。また、路面はフラットでない上に継ぎ目だらけで、常に路面からの入力にさらされる。

 速度を上げ、コーナーに進入する。かなりステアリング操作に対する初期応答が過敏だ。ステアリングのセンター付近で細かく左右に動かすとピクピクとノーズが反応する。わずかな操作で瞬時にヨーが発生するので、曲がり出す瞬間のクルマの動きに滑らかさ、スムースさがない。

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 正確にいえば、もの凄く慎重に操作することで滑らかに動かすことはできるが常に神経を使ってドライブするのでは日々クルマと付き合って行く上でマイナスだろう。

 もちろん反応の鈍いクルマは論外だが、もう少しシットリと動く方が疲れないし、ステアリング操作に気を遣わずに済む。

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ただ、曲がり始めたあと、グルッと回り込むコーナーのなかでは一定の舵角で気持ち良くコーナーを抜けられる。コーナリング中、荷重がかかった状態で路面の継ぎ目を乗り越えても姿勢が乱れることなく、タイヤがシッカリ路面に押しつけられていた。

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 試乗車はハイラインに以上にオプション設定される、アダプティブシャシーコントロール「DCC」を装備していて、モードで足の硬さが変更できる。

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 コンフォート、ノーマル、スポーツと切り替えると確かに走りの特性が変化し、当然スポーツのほうが硬めだがコーナリングでは安定寄りの特性となる。ただしスポーツを選択しても、過度な硬さはなく、突き上げによる不快感などはなかった。このあたり、シャーシの完成度、ブッシュなどを含めたサスペンションの質の高さのなせる業だろう。

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ただし前述の、ステアリングセンター付近の過敏さについては、どのモードでも見られた。コーナリング中の動きや突き上げのいなしなどに問題がないことから考えても、やはり45偏平の19インチタイヤが影響しているのだと思う。

 今回は試せていないが、18インチ(55偏平)、もしくは17インチ(65偏平)であれば、もっとシットリとした動きになると想像できる。機会があれば追ってリポートしたい。

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 さて、高速でのエンジン出力だが、これもまったく不足はなかった。試乗状況は大人の男性2乗+50kg程度の荷物。

 合流時の加速、追い越し加速共に余裕を残しつつ行える。同等の出力・トルクをもつNAエンジンに比べれば、踏み込んだ際のエンジンの唸りはあるものの、それを車体側が静粛性や振動を伝えないようにすることでドライバーに感じさせないようにしている。外観で感じた、車格が上がった印象は、実際の走りでも感じられたというわけだ。

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石田貴臣 ISHIDA TAKAOMI

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トヨタ・エスティマ(MCR30)
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読書(ミステリーが主)、TVでのサッカー観戦(バルサ/PSG/アルゼンチン代表/UCL全般)、映画鑑賞
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リオネル・メッシ、アラン・プロスト、綾辻行人、有栖川有栖、田中 瞳

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