ペットボトル活用の携帯式タイプなら自転車や車いすでも使用可能
ラジエータやインタークーラーなど、自動車の冷却系アフターパーツメーカーとして有名なHPI。大阪オートメッセ2017に、次世代型冷却ベストと冷却システムを出展していた。
冷却ベストというのは、ベストの内部にあるパイプを冷たい水が回ることで、身体を冷やすことができるもの。レースの世界ではクールスーツと呼ばれ、とくに夏のレースではコクピット内の温度がかなり高くなるため、ドライバーが使用している。
今回HPIが出店したベストは、JAXA(宇宙研究開発機構)が開発したもので、ファスナー以外の部分は縫い目がなく編んで作られている。そのため伸縮性が高くフィット感に優れているのだ。さらにベスト内のパイプ総延長は16mにも及び、冷却経路を細かく分けることで、腰から首まで満遍なく冷たい水を回すことができる。
HPIでは、このベストに接続して冷却水を回すシステムを2種類用意。
すでに発売されているBOXタイプは、血清などを運搬する特殊なクーラーボックスを使用している。これに保冷剤をセットして冷却水を冷やして循環するもので、従来のクーラーボックスタイプに比べて保冷性能が高いためより長時間使用できる。また、5から10kgの軽量化も実現した。
注目は開発中のボトルタイプだ。ボトル内部に凍ったペットボトルをセットし、その周囲に入れた水を循環させて冷却するというもの。当然ペットボトルが溶けたら新たに凍ったペットボトルと交換すればいいだけ。使ったあとのペットボトルの飲料水は普通に飲むことができる。
写真を見ればわかるとおり、ボトルとポンプのシステムを合わせても非常にコンパクト。アマチュアのサーキット走行などでも簡単に持ち込める。さらに夏場の自転車、車いす使用者の快適性向上、倉庫内でのフォークリフト作業者など、さまざまな用途に活用可能だ。
最近は夏場になるとコンビニエンスストアで凍ったペットボトルを販売しているので、外出先でも気軽に入手可能であるため、実用性の高いアイテムだといえるだろう。
クールベストとBOXのセットは18万9,000円(税別)、ボトルは今夏発売の予定だ。