基本を内気循環にして悪臭を防ぐ
あと、外気導入と内気循環の使い方で悩むポイントとしては「エアコンの悪臭はどっちが防ぎやすいのか?」が挙げられる。
車内で喫煙をする人でエアコンの臭いを気にする場合は、迷わず外気導入にしたほうが良いが、エアコンがカビ臭くなるのを防ぐには、できるだけ車内の湿度を低く保つのが有効だ。
飲み物はペットボトルなど蓋ができるものを選び、濡れたウエスは持ち込まないなど、車内の湿度を上げる要因を徹底的に排除することを常に意識づける。
初代インプレッサWRXを24年間乗り続けながら、エアコンの異臭を防ぎ続けられた個人的な経験から言うと、まず、基本は常時内気循環。雨の日や乗員の数が多いときでも内気循環にして、その場合はエアコン風量をやや強めにする(コンプレッサーもON)。窓が曇りだしたり、空気の淀みを感じた場合はもちろん外気導入に切り替える。
冬場の晴れの日など、車外の気温が低くて乾燥気味の時は、できるだけ車内を乾燥させるイメージで積極的に外気を取り込むのがコツだ。
この際、騒音が気にならない状況なら、わずかに窓を開けて窓から冷たい空気を取り込みつつ、暖房の温度設定は上限まで高めにしてできるだけ熱い空気が出るようにし、車内の温度を調整。
除湿の必要はないのでコンプレッサーはOFFのままで良い。そうすると、空調の経路に乾燥した温度が高めの空気が循環するようになるので、空調経路内部の防カビ効果が高くなる。湿度が下がる冬場は空調経路を乾かす好機だ。
4ドア車の場合、助手席側の前後ドアの窓をわずかに開けると、効果的に車内の空気が換気されつつ(運転席側の前後ドアの窓は閉めたまま)、道路の遮音壁との共鳴音などの騒音は最低限に抑えられる。
これはあくまで参考までにという話だが、このような感じで、クルマの空調の使い方は意外と工夫を凝らせることができる。ただ単に外気導入と内気循環を切り替えるだけではなく、窓からの換気も上手く利用すれば空調設定の幅が広がるのだ。