内気循環では外の臭いは入らないが空気は淀みがち
クルマの空調の外気導入と内気循環。これをどう使い分けるのかは意外と難しいが、それぞれの基本的な特徴は昔からほとんど変わっていない。
外気導入は常に換気ができるため、窓ガラスの曇り防止に有効。車内の酸素濃度の低下や二酸化炭素濃度の上昇を防ぐのも有効だ。
デメリットとしては、前方を走るディーゼルエンジン車などの不快な排気ガスや異臭(最近のクリーンディーゼルでも多少は特有の嫌な臭いが出る)、またフィルターがあると言っても花粉などの微細な異物を車内に取り込んでしまうことだ。
一方の内気循環の特徴は外気導入と真逆で、外部の余計なものを車内に取り込まない代わりに車内の空気が淀みやすくなる。また、外気温が高い真夏は冷房の効きが少し良くなるメリットもある。
最近のクルマや欧州車などでは、エアコンをオートモードにしておくと、状況に応じて外気導入と内気循環を自動的に切り替えてくれるが、昔から推奨されるのは、通常は外気導入が基本で、何か嫌な臭いが入ってきた時に内気循環に切り替えるという使い方だ。
ただ、内気循環といっても車内を完璧に密封できるわけではないし、最近のクルマでは内気循環でもフィルター機能が働くので、車内に取り込まれた異臭が延々と居残ることはない。また外部の空気が一切入らないわけでもない(ドイツの高級車など、密封性がかなり高いクルマもある)。