【試乗】スバルSUVシリーズのAWD制御の進化を雪上で確認 (2/2ページ)

ハンドルを切ったままの坂道発進で進化を確認

 勢いをつけて登りたくなるような坂道の頂上手前で停止、そのままハンドルを右に切ってアクセルを踏み込んでみる。なるほど、たしかにタイヤが空転することなく、ググッと雪道にトラクションをかけていくのが確認できた。

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 従来は、タイトコーナーブレーキング現象といって、舗装路で直結四駆にしてハンドルを大きく操作するとブレーキがかかったような状態になってしまうというネガを嫌い、ハンドルを切っているときには基本的にリヤには駆動トルクを配分しないような制御となっていた。

 しかし、それでは雪や泥といったスリッピーな路面状況で、しかもまっすぐには抜けられないようなケースでタイヤが空転するばかりで脱出できない。

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 そこで、四輪の理想車輪速からタイヤのスリップを算出し、状況に応じて「ハンドルを切った状態でも、後輪にトルクを配分する」ことで、滑りやすい環境でのトラクションを高めたというのが、最新版での進化ポイントというわけだ。

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 さらにトラクションコントロールやVDC(横滑り防止装置)といった電子制御により、雪上で思い切り振り回しても、まったくもって不安感はない。危険なゾーンに入ってしまう前に、出力が絞られてしまうからだが、だからといって介入が早すぎるという印象もないのは、基本となるシャーシ性能の優秀さゆえだろう。

 もっとも完璧というわけではなく、トラクションコントロールの早期介入により走破性をスポイルするような場面もなくはなかった。しかし、2016年の年改によりACT-4が進化したように、SUVに期待される悪路でのパフォーマンスを、今後の改良によってさらに高めることは大いに期待できる。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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