コスト削減と「円・ドル」の為替レート見直しの効果
三菱自動車が「2016年度第3四半期決算及び2016年度通期業績の上方修正見通し」を発表した。燃費偽装が明るみに出て以降、日本国内での販売は大きく落ち込んでいる同社だが、意外にも、その決算報告には明るい数字が並ぶ。
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第3四半期単独(2016年10月1日~12月31日)では四半期ベースでの黒字(84億円)に回復しているのだ。とはいえ、販売状況が改善しているわけではない。国内の実績こそ前年同期比でプラスと転じているが、その他の地域では減少傾向にあり、グローバルではマイナス11%の23.7万台となっている。
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それでも2016年度通期の営業利益見通しは276億円の赤字から10億円の黒字へと大きく改善している。その理由について、コスト削減を中心とした経営効率改善(169億円)と為替レートの見直しによる効果(117億円)が挙げられている。
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為替については三菱自動車のセールスが好調なアメリカドルを103円から109円に見直したことが、84億円の黒字へ大きく影響した。
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経営効率の改善では、71億円のコスト低減が大きく寄与している。また、車種構成の変更による15億円の改善も見逃せない。いずれも日産自動車が筆頭株主となり、その傘下に入ったことのプラスの影響が数字に現れているといえそうだ。