FTOは三菱にとって2代目で初代はギャランクーペFTO
じつは、このFTOは三菱にとって2代目のFTOで、1971年にデビューしたギャランクーペFTOが初代。この初代FTOのウリは「黄金分割」。
当時のレーシングカーなどでは、ホイールベースとトレッドの比率が、0.618になるのが理想の黄金比と言われ、初代FTOはこの値を0.58とかなり黄金比に近づけた、とカタログで謳っていた。
2代目FTOのプロポーションも、0.595とさらに理想の0.618に近づけている。もっとも、近年のホイールベース/トレッド比は、上記の「前後トレッドの平均値÷ホイールベース」ではなく、「ホイールベース÷前後トレッドの平均値」で求めるのが一般的。
2代目FTOのこの値は、1.68なので、同年代のライバルS14シルビアの1.71や、EGシビックの1.75と比べると、FTOの方が操縦性、機動性優位のディメンションだったことがよくわかる。
モータースポーツでは、JGTC (全日本GT選手権)に1998年、1999年の2年間参戦。初年度に総合年間ランキング5位を獲得している。エンジンは4G36ターボに換装。左右の重量バランスを向上させるために、左ハンドルに。なんとFFのまま参戦し、最高位は2位。
デビューから2年間で、約2万7000台が売れたが、その後伸び悩み、最終的な総販売台数は、3万8028台……。いまではめっきり見かけなくなったが、隠れた名車と言えるかもしれない。