
自然吸気でも64馬力を達成した最高のフィーリングをもつエンジン
S660が登場したことで、再び光が当たるようになったビート。デビューは1991年で、全長3295mm、全幅1395mmという限られた軽自動車のボディサイズに、スポーツカーとしてのすべてを盛り込んだ傑作車。フルオープンのの量産ミッドシップ車でモノコックボディというのは、このビートが世界初。
エンジンは、ホンダ得意のDOHCではなく、SOHCの3気筒660㏄の自然吸気(NA)エンジン。ライバル視されたマツダのAZ-1とスズキのカプチーノ、いわゆる「ABCトリオ」の3台のなかで、唯一のNAエンジンだったが、3連スロットルを装着し、フィーリングとレスポンスを重視。
イメージカラーは、カーニバルイエローで、当時も今もスタイリングが非常に高く評価されている。そのデザインには、フェラーリのロードゴーイングカーのデザインで有名なピニンファリーナが関わっていたというのは、公然の秘密。
車高は1m強(1175mm)しかなく、幌を閉じると室内は狭く、トランクもほとんどスペースがないため、「歯ブラシしか入らない」などとも言われた。