高速はエンジンパワーに勝るミニが有利
続いて高速。スピードが嫌いではない私も、それぞれに個性を持つ各車で満足のいくドライブができたことをまずご報告しておきたい。とりわけコンパクトカーでの高速移動は、いかに雰囲気よく移動できるかが大切だと思う。
思わず「うーん、いいな」と声を洩らしたミニは、当たりも硬めだが重厚感も路面を捉えるドッシリとした安定感もクラス違いだった。エンジン排気量もパワーもトルクも6台中もっとも大きく、合流加速で少し強めにアクセルを踏み込めば鋭さすら感じられるほどの加速も得られる。
本線合流時の加速中、一瞬だけど「頑張れ!」と声をかけたのはスマート。またトゥインゴとともにコンパクトゆえにホイールベースも短く、しかもRR(リヤエンジン・リヤ駆動)となると直進性が気になるという方もいらっしゃるのではないだろうか。少なくとも今回はどちらのモデルも高速走行時の安定感は十分、安心できるものであった。
フィアット500は相変わらず2気筒ならではの独特なエンジン音を響かせて走る。そして900ccターボエンジンは145N・mものトルクを発揮し(今回の6台中で2番目に数値が大きい)、シャープなタイプではないが加速は頼もしい。
街中では軽めな印象もあったステアリングフィールもしっかり感が増し、柔らかめだった足もとはフラットな乗り心地に変わり、スイッチなどないけれど、まるで高速ドライブモードに切り替わったようだった。
表情を変えたと言えば、C3もそうだ。街中では柔らかな足もとが高速ではドッシリ&シットリ。その安定感はミニ同様に、他車に比べて0.5もしくは1クラス違う印象がある。が、街中も含めシングルクラッチタイプの5速ETGを採用するC3の変速には、もう少しスムースさを求めたい。
up!はASGの変速が気にならなかったばかりか、高速道路ではパワーやトルクは小さいものの、水を得た魚のように軽快にスイスイと走る。これが6台中、最コンパクトモデルであることを忘れるほどで、意外と言ったら失礼だが、高速もイケるとわかったのが新鮮だった。