パワーユニットはまったく同じだが燃費は軽さと空力でアクアが優れる!
トヨタのHV戦略はとどまることを知らないようだ。ここ最近でもC-HRが華々しくデビューし、そしてトヨタを代表するコンパクトカー、欧州でも人気が高く、WRCでも活躍するヴィッツ(輸出仕様名ヤリス)にも待望のHVグレードが加わっている。
が、トヨタには同じBセグメントのHVカー、「世界最高燃費」を誇っていたアクアがある。しかもヴィッツのHVシステムはアクアとまったくいっしょ。1.5リッターエンジン(74馬力/11.3kg-m)+モーター出力(61馬力/17.2kg-m)、ニッケル水素バッテリー20個、6.5AhというHVパワートレーンのスペック、EVモードを備える点でも同じなのである。
厳密に見れば、アクアのほうが全長で50mm、ホイールベースで40mm上まわり、やや格上感はある。しかしまず注目したいのは、格上のアクアのほうがモード燃費に優れていること。具体的にはアクアが最高37.0km/L、ヴィッツHV34.4km/Lだ。
ちょっとだけコンパクトなヴィッツHVのほうが下まわることに違和感を覚えるかもしれないが、答えは明快。
じつは、アクアはそもそもHV専用車として世界一の燃費を追求するため徹底的な軽量化が計られ、全高もヴィッツに対して45mm低いため、車重はヴィッツHVの1110kg(Jewela/U/スポーティーパッケージ)に対して1080kgと30kg軽く、車高が45mm低いぶん走行抵抗、空気抵抗が少ないからだ。
とはいえ、まだヴィッツHVは未試乗だが、両車ともにクラストップレベルの実燃費をたたき出してくれることは間違いない。ただしヴィッツHVのほうが10万円程度高価(ヴィッツHV JewelaとアクアSの比較)。これもアクアのHV専用車に対して、ヴィッツはあとからHV化した違いと推測できる。