コーナリングで見せたソフトトップとは違う落ち着いたキャラクター
さらにクルマを進め、路面が継ぎ目だらけで荒れていて、カーブが連続する首都高、さらに高速も試す。もはやソフトトップのロードスターとは別のクルマのようだ。ボディ自体もしっかりとし、タイヤから入り、ドライバーへと伝わってくる路面からの突き上げなどもひとクラス上のクルマに乗っているような上質ないなしだ。
コーナリング中に継ぎ目から「ガツッ」と入力があっても車体の乱れも少なく、安心感も高い。正直ここまで変わるか、と思うほどフィーリングは違った。ただしソフトトップの新型ロードスターがもつヒラヒラ感は薄れている。
これはロードスターRFが切り返しで遅れる、といった類いのものではないので、私はソフトトップが持つヒラヒラ感を「軽快さ」とは表現したくないが、そのフィーリングこそロードスターだ、と思う人にはRFは向かないだろう。
もうひとつ、ATが2リッターエンジンとの相性がよく、スポーティな走りに向いている。別段シフトスピードが早いわけではないが、フィーリングはダイレクト感があり、シフトダウンはマージンを少なめにして、ダウン時にかなりエンジンが高回転になる領域でもギヤが落ちる。
トータルしてみると、このトルコンATは、完成度の高いデュアルクラッチ車というよりもMT的なトランスミッションのような感覚だといえばいいだろう。
また、高速域まで試した結果では、1.5リッタ−エンジンならではの使い切れる感もありかと思っていたが、やはり2リッターを経験してしまうとこれこそが本命だと思える。
少なくとも日本の公道で乗っている限り、1.5リッターで感じた不足感はない。もちろん全域で出力はアップしているが、とくに中間加速ではプラス500ccの恩恵が存分に感じられる。やはりロードスターはスポーツカーだ、と思わせてくれる。