ライバルのトラブルもあり1位で最終日へ
タイラリー・キングスカップに参戦中の国沢光宏さん。中国ラリーに参戦する強敵のランエボなど、ライバル陣の脱落もあって1位に浮上。そのままのポジションを守って、最終日の朝を迎えた。
Day1はブレーキに若干の不安を抱えつつも、タイのグラベルを果敢に攻めていく。ノーマルのWRX S4はリストリクターを装着しているため、市販状態よりもパワーは劣る状態。ライバルの中国ラリー仕様のスーパーランサーは380psを発生しており、これだけでもこちらの条件は不利。国沢さんもスタート前に1kmあたり2秒落ちのタイムで走れればとコメントを残していた。
始まった本番、当初の予定通りのタイムでSSを進めていくなか、上位陣のランサーに異変が! SS4終了時点で、前に3台走っているため4番目にサービスパークへ戻ってくるはずが、国沢さんが最初に戻ってきた! なんと、上位を走っていたランエボが、エンジン不調やオイルクーラー破損などのトラブルで下位に沈んだのだ。
ランエボに比べてペースの遅い国沢号は、このマージンを可能な限り守りつつ、Day1最後のSS5/SS6へ挑んだのだが、ここで波乱の展開に! 最終ステージのSS6(22km)で、まさかのタイヤバースト! 7kmほど走った地点でとがった石を乗り越えてしまい、右フロントタイヤを破損。
その場でタイヤ交換をしたのだが、右リヤタイヤも傷めており、スローパンクチャーが発生。そのままゴールまで走ることに。「バーストしたタイヤでブレーキラインやサスペンションアームを痛めないよう走らせました」と、ゴール直後の国沢さん。「今回の目標はこのクルマのポテンシャルを引き出して走ること。バーストしてしまったのは残念だが、いいところも悪いところも見つかった。2日目はマシンを壊さないよう、走りたいです」とコメントした。コ・ドライバーを務める木原雅彦さんは「このマシンでダートを走るのに、国沢さんが走るたびにどんどん慣れていって、ペースノートもバッチリでした。ステージを重ねるたびに走りが洗練されていきました。最後はバーストしてしまって、フィニッシュするのが精一杯になってしまったのが残念ですが、無事に帰ってこれたのでよしとしたいです。2日目は安全に走りたいですね」
タイヤバーストによる、マシン破損がなかったのは不幸中の幸い。タイヤ交換とメンテナンスで、凛々しい姿を取り戻した。現地時間9:03(日本時間11:03)に2日目のSS7がスタートする。WRX S4の走りに期待したい。