ディーゼル不正問題のアメリカ市場は数字を落としたがそれでも回復傾向にある
「ディーゼルゲート」について、まだ片が付いたとはいえないアメリカ市場は2.6%減となっているが、その販売台数は59万1100台。ヨーロッパや中国市場と比べると桁がひとつ小さい市場なのだ。なお北米においても徐々に回復傾向にあるという。
そのほか、市場自体のシュリンクにより、ロシアが前年比4.3%減、ブラジルは33.9%減となっているが、いずれも15から25万台規模の市場であり、全体としての影響は少ない。
つまり、フォルクスワーゲン・グループの販売台数が1000万台を超えたのは、中国市場が前年比12.2%増の398万2200台と大幅に伸びたことが原動力となったといえる。
一方、2015年まで4年連続で世界ナンバーワンの販売台数を誇ったトヨタ・グループの世界販売台数は1000万台を超えるものの、フォルクスワーゲン・グループには届かない模様だ。
トヨタとしては、2016年に愛知製鋼の事故や熊本地震の影響による操業停止があったことも、トップを明け渡す原因のひとつになっているといえそうだ。
もっとも、前述したようにフォルクスワーゲン・グループが多数のブランドを抱えているのに対して、トヨタ・グループの販売台数というのはトヨタ、レクサス、ダイハツ、日野の4ブランドの販売台数を合計したものである。
基本的には協業戦略をとるトヨタだが、資本比率を高め合算対象になるメーカー(ブランド)が増えるようなことがあれば、またトップ争いの状況は変わっていくだろう。