エンジンの出力特性としてもクルマやバイクには不向きだった
これを改善するための開発もいろいろと存在しました。たとえばトヨタはD-2というシステムの直噴2ストロークエンジンを開発していました。これは吸気はクランクケース側からですが、エンジンヘッドに排気バルブを採用していました。最終的に排出ガス対策が不十分で日の目をみることはありませんでした。
一貫して4ストロークエンジンで高性能を追求してきたホンダも、じつは斬新な2ストロークを開発してようですが、想定された性能が出なかったことで、お蔵入りとなっています。
そもそも2ストロークエンジンは、4ストロークエンジンに対して効率悪化を容認して簡素化したものです。トルクは出ますが高回転や低回転は苦手で、パワーバンドが狭くて最高出力も出しにくい特性になります。だからクルマやバイクのような、使用する回転数が大きく変動するエンジンとしては、本来向いていないのです。
だから排出ガス対策が十分達成できたとしても、燃費性能は4ストロークエンジンに対して遠く及ばないものになるでしょう。おそらく2ストロークエンジンが復活する可能性は、ほとんどゼロだと思います。