レースやラリーなどモータースポーツでも活躍
デザインはスポーツカーの王道たるロングノーズ&ショートデッキスタイルの2ドアクーペとし、流線型というよりも直線を各部に採り入れて硬派な感じを演出したことで、人気が出た。
ヘッドライトは1970年代のスーパーカーブームから続く必須アイテム、リトラクタブルヘッドライトを採用しているが、ボンネット上のエアスクープもインタークーラー用と思いきや、ただのイメージとして装着されているに過ぎないのはトリビア的な話しだ。
足まわりは当時としてはまだ贅沢な独立縣架を採用するなど、本格派スポーツの名にふさわしいものであった。また自動車専門誌ではRX-7も含めてポルシェとの対決記事が多く載ったものである。
また、スタリオンはモータースポーツでも活躍している。ツーリングレースではお馴染み中谷明彦氏などがドライブ。WRCでもグループAをワークスで戦っている。これはスタリオン4WDラリーと名付けられた車両はその名のとおり、4WD化されたスペシャルモデル。
のちのランエボへの礎となるのだが、元三菱チーム監督の木全厳氏によれば、「トルク配分型のデフを組み込んでテストも行なっていました」という。つまりAYCなどの技術はすでに1980年代に考えられていたのだが、実際は「振動が凄くて使い物にならなかった」とも。さすがに時代として早すぎたのだろうか。
三菱らしい硬派なスポーツカーとして話題になったものの、国内販売は不振。アメリカでの人気は高く、それを受けて、2.6リッターへと排気量をアップしたり、ブリスターフェンダー化をするなどしたものの、先細り的に消えていったのは残念である。