明確な定義はないもののBピラーがないことが条件
最近ではあまり耳にしないが、1970年だから1990年代にかけて、ひとつのジャンルを築いていたのが、ハードトップだ。訳せば「硬い屋根」となるが、これはソフトトップ(柔らかい屋根)の対義語として登場したから。
オープンカーで考えた場合、幌をソフトトップと呼び、スチール製の屋根を被せたのをハードトップと呼ぶことがあるが、まさにこれが由来する。
それがさらに広がって、ハードトップを被せたようなスタイルをハードトップと呼ぶようになった。ちなみに幌を被っているように見せつつ、じつはハードトップという、革張りのレザートップというのも1960年代から1970年代にはあった。
今回はオープンカーのスチール製ルーフではなく、スタイルとしてのハードトップを見ていくことにするが、その定義はかなり曖昧に思えるし、実際にもこれといった定義はない。
まず前提とされているのが、Bピラーがないということ。脱着式のルーフをモチーフにしているので、Bピラーがないのは当然。
Bピラーをなくすというのは、4ドアでは難しかったので、1970年代までのハードトップは2ドアが中心だった。ちなみに日本車初となるのは1965年のコロナで、軽では1971年のフェローMAX。どちらも2ドアハードトップとなる。
そもそもハードトップを採用するメリットとしてはスタイリッシュに見えるということ。だから2ドアクーペでの採用が進んだのはこれが理由だ。ちなみにピラーがある2ドアを、2ドアセダンと呼んでいた時代もあって、ハードトップ=クーペという図式も当初はあった。
と、ここまでで終わっていれば定義は確固たるものになっていただろうが、デザイン性が増してくると、複雑になってくる。