意外にも商用車の世界では商品がしっかり差別化されている
一方で、一般ユーザーからすると、差別化がないように見える商用車の世界においては、むしろ耐久性やランニングコストでシビアに優劣がつけられていることが多い。
さらにブランド性が最優先される高級車の世界もまたコモディティ化とは縁がない世界でもある。
もっとも、実態としては家電でも自動車でも、ブランドで売れる商品群、機能で選ばれる商品群、そしてコモディティな商品群というのは存在しており、コモディティ化を家電化と表現することが適切かどうか、意見が分かれるところだろう。
とはいえ、家電化という言葉が使われるようになったのは随分前のことだ。おそらく最初期の「クルマの家電化」というのは燃料噴射装置がキャブレターからインジェクターになるなどして、故障した際に制御基盤などの入ったコントロールユニットを交換しないと直せない状態を指し示していたという面もあったろう。
診断機をつないで故障箇所を見つけ、アッセンブリーで交換修理するというのは、もはや当たり前になってしまった。その意味では全般的に「クルマの家電化」が進んだといえるのかもしれない……。