昔のクルマの運転を手伝う「助手」ではない!
前席の運転席でないほうを、なにも考えずに助手席と呼んでいるけど、よく考えると変な言葉だ。助手が座る席であり、そもそもなんの助手が座るのか? パッと思いつくのが、昔のクルマは運転するのが大変で、運転手をアシストする人が横に乗っていたのだろうということ。
正しいように思えるけど、クルマは発明された当時からひとりで運転ができた。そもそも創成期のクルマは2シーターも多くて、運転手と助手が乗ってしまったら満席になってしまうわけで、これでは使い勝手は悪かった。
ただ、1920年前後にヨーロッパで行なわれていた都市間レースの写真を見ると、ふたり乗っているクルマばかりだ。これが助手のように思えるけど、じつは機関士。
今のようにイージードライブの時代ではなかったので、運転手は運転に専念。走行中のクルマ状態は機関士が見て、なにかトラブルがあれば対処するために乗っていたので、助手とは少し違う役割だった。