助手席は英語を訳したのではなく日本で生まれた言葉
じつは助手席という言葉は日本で生まれたとされる。あまり想像できないかもしれないけど、大正から昭和初期にはけっこうな数のクルマが日本にはあったし、タクシーも多かったのだ。たとえばタクシーは円タクと呼ばれて、1円で東京なら都内のどこでもいけたという、意外に気軽な乗りものだった。
タクシーに使われていた車両は、輸入車もしくはアメリカ車の国内生産(フォードやGMは日本に工場があった)モノがほとんど。これらは当然のことながら、当時の日本人にとってはサイズが大きくて、乗り降りするのもひと苦労。そこで乗り降りをアシストするために、運転手の横に乗っていたのが助手というわけなのだ。
ちなみに助手席は英語にすると、後席と同じくパッセンジャーシート(搭乗者席)。この点からも助手席は日本発祥ということがわかる。アシストマンシートなどと勝手に訳してもまったく通じないので悪しからず。