JC08モード燃費の測定モードは約28%が停車状態
いまや常識化した装備のひとつがアイドリングストップ機構です。ここ5年くらいで急速に増えました。その理由はカタログ燃費です。
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JC08モードは全体で1204秒の走行モードですが、そのうち速度ゼロとなっている時間が346秒間あります。約28.7%が停車しているんですね。だからアイドリングストップが作動していれば、それだけカタログ燃費がよくなるのです。世界中で燃費の走行モードには停車が入っているので、これは共通です。
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それでも今なお、アイドリングストップ機構が装備されないクルマがあるのは、どうしてでしょうか? それはコストの問題ですね。アイドリングストップ機構は信号で停車するたびにエンジンの停止と始動を繰り返します。
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そのため電気エネルギーを消費するのでバッテリーが強化されていたり、ブレーキ回生機能を持っていたりします。とくにバッテリーは高価になり、重量も重くなり、ちょっと大変です。また再始動時は抵抗が低くなるので、より静粛なモーターを追加してシステムを構成する場合もあります。
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メカニズムとしても直噴であれば精度高く再始動できますが、一般的なポート噴射だと厳しくなってしまい、マージンを与えるのでどうしてもエンジン回転が高めに再始動してしまいます。これは音が大きくなるだけでなく、燃料も過分に消費することになります。
また外気温が氷点下の場合、一般的にはアイドリングストップ機構は作動しません。それはエンジンの再始動が難しくなる可能性があるためで、もし再始動しなければ生命の危機となる可能性があるからです。
コストがかかることもあって、またバッテリー交換などのメンテナンスコストも高くなることもありますが、アイドリングストップ機構は標準化されていくことでしょう。ただ、車両代金の安いアイドリングストップ非装着車も、選択肢として用意してもらいたいな、とは思います。