【試乗】マツダ新型CX-5を中谷明彦が雪上で徹底チェック(動画あり)! 2016年12月20日TEXT: CARトップ編集部 横山真和 すべてボールベアリング化したのはマツダ車が初 マツダCX−5がフルモデルチェンジを行なって2代目へと深化した。この深化という言葉は最近のマツダがよく使うフレーズだが、新しい技術のフィードバックなど、クルマ作りの進化・熟成を行うことを指す。また、マツダが一貫してこだわり続ける「走る歓び」のさらなる向上という意味も込められている。 新型CX-5には話題のGVC(Gベクタリングコントロール)や、ディーゼルエンジンの静粛性や制御緻密化を行なう技術、静粛性向上対策など、現在のマツダ車に順次採用されてきた技術がすべて導入されている。世界中で高い評価を得ているマツダ車だが、その魅力を余すことなく投入したのが新型CX-5であると言っていい。2代目となったCX-5は基本的な部分を先代モデルから引き続き採用している。ボディサイズもほぼ同じで、パワートレインに関しても同様のスカイアクティブシリーズのガソリンエンジン(2リッター直列4気筒/2.5リッター直列4気筒)、そして人気のクリーンディーゼル(2.2リッター直列4気筒ディーゼルターボ)がラインアップされる。今回、新型となったCX-5を北海道にある剣淵テストコースで試乗することができたので速報でお伝えしよう。レーシングドライバーとして輝かしい戦歴を持ち、現在は理論派モータージャーナリストとしても活躍中の中谷明彦氏にインプレッションしてもらった。 その走りは動画でご覧いただくとして、新型CX-5の印象を聞いてみると、「凄い質感が上がってるね! NVH性能の高さは欧州の高級ブランド車並みだ。プラットフォームは変わっていないのに遮音と防振でこれほど向上するのは基本設計がしっかりしていたからだね。旧モデルも欧州仕様は良かったけど、今回はさらに向上している」。「それにGVCが導入されてステアリング操舵初期のノーズの入りが凄くスムースかつクイックになってミッドシップのような挙動でコーナーにアプローチできる。コーナリング中もライントレース性が高まって狙ったラインをシャープにトレースできる。TCSをオフにしても電子制御は完全オフにはならないけど、ダイナミックな走りにはならないけど絶対的な安心・安定に仕上がっているから多くの人に安心して勧められるよ」と語ってくれた。ちなみに4WDは従来と同じ「iアクティブAWD」を採用する。駆動力をリアルタイムで配分することで、状況に合わせて適切な駆動を与えることができるシステムだ。新型CX-5では新たにデフの軸受け部をボールベアリング化。抵抗低減により静粛性や実用燃費(約2%向上)の向上を実現した。ちなみに、すべてボールベアリング化したのはマツダ車が初だという。その印象を中谷明彦さんに聞いてみると、「もともとボールベアリングだった部分をさらにダブル化したりして抵抗を低減しているそうで、モデルを手で回しても重さの違いがわかるほど。これでモード燃費にこだわらず実用燃費を確実に向上させることができたと言っていたね。回転振動も抑制でき質感や快適性も高まっているから凄いよ」と高く評価していた。 SUVとしての魅力を深化・熟成を見事なまでに成し遂げた新型CX-5。「問題は外観デザインで、賛否がわかれそう」と、いつもは辛口な中谷明彦さんが走りに関して文句をつけなかったのは、新型CX-5がいかに優れた走行性能を身につけていたかがわかる。 (写真:青山義明) 画像ギャラリー 前の記事フェルディナンド・ヤマグチの試乗コラム! 悩ましいアウディQ3のエンジンと駆動方式選び 次の記事【スバリストが選ぶライバル】歴代最強の三菱ランサーエボリューションはこれだ! 関連記事 カテゴリー 自動車コラム 2024年のもっとも美しい色のクルマはCX-80の銅色! 開発者が狙った「溶けるような銅」とは TEXT: すぎもと たかよし 2024年12月22日 カテゴリー 自動車コラム イニシャルDに魅せられて手に入れたRX-7で25年を駆け抜けた! 80歳女性オーナーが極上のFD3Sをマツダへ譲渡 TEXT: 廣本 泉 2024年12月21日 カテゴリー 自動車コラム マツダの名車を生むテストコースは数々の名勝負を魅せたサーキットだった! 美祢試験場の前身MINEサーキットとは TEXT: 藤田竜太 2024年12月18日 カテゴリー 自動車コラム 「FR」「直6」「8速AT」と鳴り物入りで登場のになんで売れない? CX-60が販売不振に陥るワケ TEXT: 渡辺陽一郎 2024年12月13日