トップに輝いたのはWRCで成功を収めたアノ最強マシン!
第2位:ランサーエボリューションⅧ
ランエボマニア諸兄からは異論が出そうだが、2位として称えたいのはWRXにはない「AYC」という武器を極めたランエボⅧ。
「AYC」はランエボⅣで初めて採用されて以来進化熟成を重ね、ランエボⅧで左右後輪駆動トルクの移動量を2倍に高めた「スーパーAYC」となり、ひとつの完成系に達している。
WRXでも前後の駆動配分は積極的に電子制御化してきたが、Ⅳ以降のランエボはAYCで後輪駆動トルクの左右制御で旋回性能を上げるシャーシ制御を磨き、とくにフィーリング面においてはWRXとのもっとも大きな違いをもたらしていた。
WRX派としては、初期世代のAYCは「横置きFF車ベースのバランスの悪さを補う苦肉の策」などと蔑み、むしろそんなメカに頼らずとも同等以上の速さを発揮するスバルのシンメトリカルAWDの優位性を感じたものであるが、実は内心では気になって仕方のないメカであった。
専門家による比較でも、「自然なフィーリングで楽しいのはWRX」という評価が続いていたが、ランエボⅧのスーパーAYCではフィーリング面での違和感の類いが解消され、「ストリート最強はランエボ」と評する声が多くなるという、WRX派にとってはショッキングな結果に。
実際、自分で乗ってみても異次元の旋回フィールに衝撃を受け、AYCの凄さを痛切に実感させられた。
第1位:ランサーエボリューションV
「最良」ならば進化の頂点にあるランエボXを1位に推したいところだが、WRX派として「最強」といえばランエボⅤを推さずにはいられない。
WRCへの参戦はグループAにこだわったことから市販車でもワイドボディとなり、エクステリアの威圧感がさらに増強。オーバーフェンダー化により、1998年当時のWRXでは純正装着できなかった17インチタイヤ(1998年3月発売のワイドボディの限定車22Bのみ17インチ装着)やブレンボブレーキを採用するなど、WRX派としてはハード面の細部において先を越された感の強いモデルであった。
ワイドボディ化は市販車でも戦闘力を高めたが、やはりモータースポーツで本領を発揮。WRCではWRカーで参戦するスバルをより市販車に近いグループAで破り、1998年にはドライバーズ/マニュファクチャラーズの両方でチャンピオンを獲得。ランエボVで初めて獲得したドライバーズタイトルは4連覇の偉業となるなど、WRCにおいてはスバルにもっとも大きな壁として立ちはだかったランエボとして記録にも記憶にも刻まれている。ランエボVの圧倒的な強さは3世代目のWRXの開発にも大きな影響を与えた。
当時のWRXがなかなか勝てなかったという意味においては、2002~2006年の全日本ラリーを席巻したランエボⅦも最強イメージが強い。