軽自動車試乗に巻き起こった熾烈な燃費競争も勝ち抜いた
3代目のアルトには、リヤセクションを拡大し荷室にしたフルゴネットタイプの「ハッスル」が追加。欧州ではルノー・エクスプレスのように比較的ポピュラーなものであったが、日本では受け入れられずこの代限りとなってしまった。しかし、現在軽自動車は室内空間を広くとるために全高が高くなっているため、時代が時代ならばもう少し評価されていたモデルかもしれない。
5代目アルトは軽自動車の規格が拡大されたことで従来よりもひとまわり大きなサイズで登場。クラシカルなルックスを持つ軽自動車がブームだったこともあり、通常グレードとは異なるデザインを持つ「アルトC」が登場した一方で、長らくスポーツグレードとして君臨していたワークスがマイナーチェンジのタイミングで消滅。これにより、アルトのスポーツグレードはしばらく空席の時代が続いた。
先代となる7代目は燃費性能を追求した「アルトエコ」が登場。ライバルのダイハツ・ミライースとの燃費競走が勃発し、最終的には35.0km/Lというハイブリッドカー並みのカタログ燃費数値となっていた。
そして2014年12月に登場したのが、現行モデルとなる8代目アルトだ。日々装備が追加され重くなる一方だった軽自動車にあって、現行アルトは600kg台前半~という驚異的な軽量ボディを持って登場。カタログ燃費も最高で37.0km/Lと、アルトエコよりもさらに向上しているのは、この軽量化による部分も大きいだろう。さらに、しばらく姿を消していたホットモデルとしてターボで武装した「ターボRS」、そしておよそ15年ぶりに「ワークス」も復活するなど、熱い走りを求めるユーザーには嬉しい出来事もあった。 仕事のパートナーから日常の足、そしてエコな走りからホットモデルまで幅広い層をカバーするアルト。今後もアルトの活躍に注目したいところだ。