重量や抵抗が増加することがデメリット
では多段化でデメリットはないのでしょうか? ひとつは重量で、トランスミッションが大型化することで室内スペースを圧迫する場合があります。
もうひとつはメカニズムが複雑になるので、高価になること。そして機械抵抗が増えてしまい、燃費が伸びないことです。
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プラネタリーギヤはサンギヤ、アウターギヤ、その間にあるプラネタリーギヤの3つの歯車を組み合わせていますが、そのうちの最低 1つを固定しないと空転するだけなんです。動力が伝わりません。そして変速時するということは1つを固定/開放することで作動します。そのため各ギヤにクラッチが付いていて、それを油圧でON/OFFするわけです。
![Mercedes-AMG E 63, AMG Speedshift MCT 9-Gang Sportgetriebe ; Mercedes-AMG E 63, AMG Speedshift MCT 9-speed sports transmission;](https://cdn-webcartop.com/wp-content/uploads/2016/12/webcartop_04-21-680x510.jpg)
クラッチというのはつながっている時は問題ありませんが、切れているときに軽く接触していて抵抗が発生してしまいます。これをクラッチのひきづり抵抗といいます。段数が増えるほどクラッチの数も増えてしまいますから、ひきづり抵抗も増える方向になります。
できるだけ切れているクラッチの数を減らすことが設計的に重要になってきます。ひきずり抵抗が大きいと、それだけ発熱の問題も出てきてしまいますね。
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現代のパワートレインは、もはやエンジンとトランスミッションが同じぐらいの大きさ、そして同じくらいの重さになっている場合もあります。それでも多段化したいだけのメリットがあるわけです。