キャブレターが主流だった頃の名残で現在はまったく意味がない
かつて、燃料噴射装置がキャブレターだった時代は、アクセルを少し開いてスターターを回した方が始動性がよかったり、キャブレターにオートチョーク機能がついているクルマは、このオートチョークを働かせるために、アクセルを踏んでおくという“儀式”が必要だった。
ご年配の人やそうした方の影響を受けた人が、当時の名残として、アクセルを開け気味にしてスターターを回し、始動直後に空ぶかしをする風習が、一部に残っているのかもしれないが……。
もちろん、ECU+インジェクションの現代のクルマでは、アクセルは全閉のままスターターを回すのが正解。もし「始動直後はアイドリングが安定しないので、空ぶかしが必要」という人がいたとしたら、それはセンサーその他のトラブルが考えられるので、ディーラー等で点検してもらった方がいいだろう。
なお、これからの季節、極端に外気温が低いときは、エンジンスタート後、すぐにクルマを発進させ、ゆっくり走りながらエンジン&駆動系を一緒に暖気させるのがベスト。
止まった状態でアイドリングを続ける暖機運転は、エンジンや駆動系、オイルその他にとって、あまり理想的な方法ではないということも覚えておこう。
アイドリング時は油圧も低く、オイルの供給量もミニマムで、なかなかオイルがいきわたらない。そのため長時間のアイドリングもエンジンにダメージを与えるからだ。