現代のクルマではメリットどころかデメリットしかない
エンジン始動後に空ぶかしは意味があるのかと問われれば、答えはNOだ。少なくとも現在のクルマには弊害はあってもメリットはない。
一度冷え切ったエンジンは、各部のオイルがオイルパンに戻っている状態なので、カムまわり、ピストンまわりとエンジン全体の油膜が薄くなっている。この状態でエンジンを始動すると、いわゆる「ドライスタート」となるので、始動直後に空ぶかしをして回転を上げるのは、エンジン内の金属同士を摩耗させる大きな原因になる。
また、始動直後はエンジン内部の各クリアランスがまだ広がっている状態なので(暖まると金属は膨張する)、その状態で回転数を上げると、各パーツの振れ幅(ピストンの首振り等)が大きいので、エンジンの寿命を短くすることにもつながってくる。
さらに、始動直後は触媒も冷えているので、十分機能することができないので、そのタイミングで空ぶかしをすると、より有害な排気ガスを大気にまき散らすことにもなる。