カタログ燃費は落としても実燃費を追求
マツダの児玉眞也主査は「ドライバーだけでなく、そのクルマに乗る人すべてが走る歓びを感じることができる」ことを目指したという。その走りは「人間中心」がテーマ。アクセルの踏み込みに対し、よりリニアな走りを実現。
これまで目指してきたリニア性、コントロール性、そして応答性を、より人間特性に合わせるため、予見性のあるG特性を持たせた「Gベクタリングコントロール」を装備する。クルマがエンジンのトルク変動を自動で行い荷重変化を起こすこのシステムは、遅れを感じない初動により操作と挙動が一致し、修正操作が不要で自然(無意識)に踏めるという特性を実現している。
さらに走りの質感が向上し、より運転がうまくなったという実感が湧く上に、疲労軽減や燃費向上という可能性もあるという。
エンジンラインアップは、2.2リッターディーゼルのSKYACTIV-D 2.2、2リッターガソリンのSKYACTIV-G 2.0に加え、2013年9月に追加された2.5リッターガソリンのSKYACTIV-G 2.5という3機種は変わらず。これをアテンザでも投入したように最新のアップデートを行なっている、という。
SH-VPTS型2.2リッターディーゼルターボ(129kW/420N・m)は、過給圧制御を最適化するDE精密過給制御やナチュラル・サウンド・スムーザー、ナチュラル・サウンド・周波数コントロールの3つの技術を搭載することでさらなる静粛性を確保。
PE-VPS型2リッターガソリン(155kW/196N・m)、PY-VPS型2.5リッターガソリン(135~140kW/245~251N・m)の2機種には圧縮比13.0を採用。2.5リッターでは上下非対称形状を採用し、機械抵抗を低減した。
新世代AWDシステムであるi-ACTIV AWDは、パワーテイクオフとリヤディファレンシャルユニットの軸受け部をすべてボールベアリング化。さらに部位によってはボールベアリングを2列にしたタンデムボールベアリングを採用し、約30%の抵抗低減を実現している。
静粛性については、音の発生源を抑え込み、音の侵入経路の遮断、そして吸音と、あらゆる手を使って静粛性を高めている。車両重量は全モデルで40~50kgほど増加しているが、その大半は、静粛性向上のために使われているというほど。
また、昨今の燃費問題を受け、「数値ではなく実燃費を取りに行こう」という方針となり、実用域での燃費を重要視した。そのため、JC08モード燃費は、ディーゼルが先代比で18.4km/L→18.0km/L(FF)、18.0 km/L→17.2~17.6 km/L(4WD)、2リッターガソリンが16.4km/L→16.0km/L(FF)へ、2.5リッターガソリンが15.2km/L→14.8km/L(FF)、14.6 km/L→14.6km/L(4WD)と若干カタログ数値的には落ちている。
この新型CX-5は予約をスタートさせているが、発売は2017年の2月となる。価格は20S(2リッターガソリンエンジンのFFモデル)の246.24万円から、XD Lパッケージ(2.2リッターディーゼル4WDモデル)の352.62万円となる。ちなみにグレード展開はこれまでと変わらない。
プロトタイプ先行展示イベントを全国各地で行なう予定。その際は、新型CX-5だけでなくロードスターRFも同時に展示されるということだ。