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フェルディナンド・ヤマグチの試乗コラム! 悩ましいアウディQ3のエンジンと駆動方式選び (3/4ページ)

1.4リッターと2リッターのターボをラインアップ

 で、Audi Q3です。

 Q7、Q5と続いたアウディSUV兄弟の末っ子で、プラットフォームはA3と共有しています。Q3は親会社であるフォルクスワーゲンのティグアンとは兄弟関係に当たります。ボディサイズは全長4400×全幅1830×全高1615mm。末っ子とは言えなかなか立派な体格をしています。

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 今やアウディデザインの代名詞ともなったシングルフレームグリル。フロントからリヤに向かって徐々に跳ね上がって行くのが昨今のデザインの流行ですが、Q3はあえてリヤエンドまでキャラクターラインを水平基調に伸ばしています。このラインが効いて、SUVなのに何となくクーペっぽい。つまり無骨ではなく都会的風な味わいを演出しているわけです。こうしたデザイン処理がアウディはとても上手です。

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 リヤ側から見てみましょう。バンパーをヌルっと一面にするのではなく、敢えて平行のラインをいれています。さらにテールゲート下縁の線、左右のテールライト結ぶ線、リヤウインドウの下縁、と水平の線がバシバシ引かれています。こうして安定感を強調している訳ですね。全高1615mmと背の高いクルマですが、このラインのお陰で腰高に見えないようになっているのです。

 それではエンジンを見てみましょう。現在日本には1.4リッターと2リッターの2つのガソリンエンジンが用意されています。

 本国には無論ディーゼル仕様が有るのですが、親会社であるVWがやらかした例のアレにより、我が国には当分輸入されそうにありません。アメリカ市場では(あくまでも“市場”ですよ。“司法”はまた話が別です)もうとっくにあの話はチャラになって、販売も回復しているんですけどね。日本の消費者は厳しいです。

 1.4リッター、2リッターとも、燃料直噴システムとターボを組み合わせたTFSIなるエンジンです。

 ちなみにTFSIのTはTurboのT、FSIはFuel Stratified Injectionの頭文字を取ったものです。アウディ日本ではこれを「燃料直噴」と言っていますが、FSIを直訳すると「燃料層状噴射」になります。直噴は直噴なのですが、プラグ周辺を中心に燃料を濃く噴いて、それ以外の部分は希薄燃焼させて燃料消費を押さえましょう、という賢い仕組みになっています。


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