各ギヤ比の差を近づけたトランスミッションのこと
クロスミッションとは、トランスミッションの各ギヤのギヤ比の差が、標準のミッションよりも近いギヤを組み合わせているミッションのこと。レシプロエンジンでは、エンジンの回転数の上昇に合わせてトルク&パワーが高まっていくが、ある回転数以上になるとそのトルク&パワーは下降していく。
そのトルクカーブ、パワーカーブの頂上付近の一番力が出ている「おいしい部分」をトルクバンド・パワーバンドという。モータースポーツなどで、できるだけこのパワーバンドの回転数をキープできるようにするのがセッティングのキモとなる。
そこで重要になるのがギヤ比の選択。ギヤ比は数字が大きくなるほど、力強さが増すが、同じエンジン回転数での速度は低くなる。
ノーマルのミッションは、荷物満載の坂道発進まで考えた1速から、高速道路での燃費を重視した5速、あるいは6速が設定されていて、2~4速はつながりがいいように、上手にギヤ比の間隔が開けられている。これは当然オールマイティで使いやすいのだが、サーキットなど走るステージを限定した場合、話がちょっと変わってくる。