マスタードライバー「豊田章男社長」の意見も取り入れられた
続けて乗ったV型8気筒モデルのLC500でさらに驚くことになる。そろそろV8やV10大排気量の時代は終わるのだろうが、レクサスはトップエンドのスポーツカーにGS FやRC F用のビッグエンジンを移植してきた。
新開発のFRプラットフォームとの相性がいいのだろうか、極めて軽快な走りをLC500にもたらした。アクセルオンした瞬間の押し出し感、どこまで加速続けるの? と思わせてしまうスポーツフィール。5リッターV型8気筒NAという古典的なエンジンだが、新鮮なスポーツカーフィーリングに酔うことになる。
「すっきりと奥深いパフォーマンスをめざしました」(CEの佐藤さん)の言葉が言いえて妙、である。
ビデオインタビューにもあるとおり、「我々開発陣はつい高速域のパフォーマンスに目が行きがちですが、マスタードライバーがある日、時速20㎞/hで30分もテストコースを走り回ったんです。その意見は新鮮で、ずいぶん参考になりました」(佐藤さん)。マスタードライバーとは、言うまでもなく豊田章男社長である。
あなたなら、V8を選ぶか、ハイブリッドにするか? と問われると、いつまでも悩んでしまう。買えるか買えないか、というより夢のなかで選択を迷わせてしまうクルマができた。正式発表のあと、ポルシェ、メルセデス・ベンツ、アウディなどなど欧州ハイパフォーマンスカーとしっかりと比べてみたい。
さらに12月9日、この日はレクサス最高級セダンの新型LSが、新年のデトロイトショーでLCと同じ新開発のFRプラットフォームを使った新型モデルを公開すると発表した。LCの完成度を見る限り、相当に期待のできるモデルだと想像できる。