5つのテーマでアイディアを募集
トヨタ自動車は、12月7日、オープンイノベーションプログラムである「TOYOTA NEXT」の概要を発表し、これと同時に募集受付を開始した。
オープンイノベーションといえば、昨今有名なのが、任天堂・ポケモンとナイアンティックによる「ポケモンGO」だという。このように、自社の所有する知的財産などを他社のアイデアと組み合わせて、新しい価値を生み出すこと、である。
この発表会に登壇したトヨタの村上秀一常務役員は、現在創業以来の変革期であるとし、約80年にわたって続けてきたトヨタのビジネスモデルだけでは対応できない時代に突入したと語る。「未来のために、今を変える」とさまざまな取り組みをしていることを強調。
一方で、「一にユーザー、二にディーラー、三にメーカー」というトヨタが大切にしてきたものは今後も守り抜くものであるとしている。それでもユーザーの環境は大きく変化しており、時代に合わせた変化に向き合っていくとする。
これまでトヨタは自前主義を貫いてきたわけだが、その自前主義にとらわれず、新しいアイディア、革新的なテクノロジーやサービス、ソリューションをもつ企業やベンチャー、研究機関と、トヨタの持つアセット(資産)を組み合わせ、「人を中心とした新しいサービスを、外部のパートナーとともに作り上げていきたい」と両者が「ウインウイン」の関係で、未来のモビリティ社会を創造していこうという取り組みであると解説する。
募集テーマは5つ設けられている。またその5つに該当しない革新的なサービスも応募可としている。
1.すべての人の移動の不安を払拭する安全・安心サービス
2.もっと快適で楽しい移動を提供するクルマの利用促進サービス
3.オーナーのロイヤルティを高める愛車化サービス
4.トヨタの保有するデータを活用したONE to ONEサービス
5.全国のトヨタ販売店を通じて提供するディーラーサービス
そして、トヨタが提供できるアセットは、以下となる。
今後発売されるコネクティッドカーから取得可能なビッグデータの情報。
さらに、トヨタがもつタッチポイント(国内5200店舗のディーラーネットワーク、そしてトヨタレンタリース店の約1,200店舗)、toyota.jp、LINE公式アカウント、メルマガ等のトヨタのオウンドメディア。
また、「スマートキーボックス(スマートフォンで鍵の開閉等ができる装置)」、「トランスログ(法人のお客様向け車両運行管理サービス)」、パーソナルモビリティの「i-ROAD」、ナビ等を利用した通信サービスの「T-Connect」、スマホを利用したナビサービス「TCスマホナビアプリ」といった製品・サービスも利用できる。
発表会の後半には、トヨタのデジタルマーケティング部浦出高史部長、Inamoto&Co.共同設立者のレイ・イナモトさん、デジタルガレージ執行役員シニアバイスプレジデントの佐々木智也さんも加わって、オープンイノベーションについてのトークセッションも行なわれた。
「TOYOTA NEXT」は2016年12月7日より2017年2月20日までの期間で、TOYOTA NEXTの専用Webサイトで募集。採択されたチームはサービスを共同開発し、2017年以降に順次展開する予定である。