バトンの引退発表はメルセデスに乗ることが決まっていたため?
さらに、もっともらしいのは、ジェンソン・バトンの線。3人体制という不自然な2017契約の段階から、ロズベルグ引退は仕組まれていて、じつはジェンソン・バトンが後釜と決まっていた、というもの。
バトンは、すでにマクラーレンでハミルトンとコンビを組んで3年間過ごした“実績”もあり、ナンバー2というポジションを受け入れる度量の大きさも持っているからだ。
もてぎのファン感謝デーのエンディングのインタビューでバトンは来年のことを訊かれ、「いろいろ噂がでているけれど、みなさん、惑わされないように」とコメントしたが、惑わされないように、というのはどこを差しているのだろうか。
セバスチャン・ベッテルという線もある。ドイツのメルセデスがドイツ人がほしいだろう、というのがその理由。
フェラーリから引っこ抜くのは簡単ではないはずだが、メルセデスなら違約金がどんなに高額でもヘッチャラ、というこれまた尤もらしい理由付けもされているが、いや、フェラーリからなら、キミ・ライコネンじゃないのか、という声もある。
さらに、マックス・フェルスタッペンはどうよ、という意見もあるが、来年、大きく規則が変わる中で、レッドブルが大本命というのが専門筋の予測するところであり、むざむざと戦力ダウンが予測されるメルセデスに移籍する手はないと見ていいだろう。
ウイリアムズのバルテリ・ボッタスも候補のひとりだが、イメージ的にもうひとつ、メルセデスが魅力を感じるとは考えにくい。ハースをクビになったエスティバン・グティエレスも同じく。
今シーズン限りで引退したフィリッペ・マッサの線も浮かんだが、マッサ自身、F1を闘えるエネルギーがなくなったことを自覚しており、この可能性もないと言える。
こう考えると、ハミルトンの2017年のチームメイトは、やっぱりパスカル・ウェーレインに決まり、ということになりそうだが、ロズベルグ引退のニュースは、いくつか不思議というか不可解な符号があるのが気になる。
今シーズンは、ロズベルグだけでなく、フィリッペ・マッサとジェンソン・バトンが引退を表明した。ロズベルグは、“絶頂期に辞めた”という観方もあるが、逆に言えば、ハミルトンと闘う気力をなくしたと言い換えてもいい。
アロンソ、ベッテル、ライコネン辺りなら、ハミルトンとやり合う気力も力もあるはずだが、今年の状況を観る限り、最終戦のハミルトンのペースダウンに制裁も辞さない、と息巻いたメルセデスが、二人が過剰にバトルを繰り返す状況を許すとは思えない。
と考えると、やはりパスカル・ウェーレインということになるのだが、待てよ。ジェンソン・バトンなら、ナンバーツーを了承して、いい働きをしてくれるんじゃないの?