助手席でも正しい姿勢で乗らないと危険
④:ヘッドレストの位置がでたらめ、あるいは取り外し
多くのクルマは、ヘッドレストの高さを調整できる機能が付いているが、これに無頓着な人は意外に多い。ヘッドレストは重要な乗員保護装置にもかかわらず、そうした意識が希薄で、一度も調整したことがないという人も少なくないのでは……。
しかし、交通事故のおよそ3分の1は追突事故で、その追突事故の際、頸部の負傷、いわゆるむち打ち症を防ぐ安全装置がヘッドレスト。その有効性から、乗用車の場合、昭和44年に運転席への装着が義務化され、昭和48年には助手席へも装着が義務付けられた。
そのヘッドレストも、正しい位置に合わせないと、いざというとき役立たない。正しい位置は、真横から見て自分の耳の後ろの位置にヘッドレストの中心がくる高さ。家族等でクルマを共有している人は、クルマに乗り込むたびに、シートポジションと一緒にヘッドレストの高さ調節も忘れずに。
⑤:サンダルやヒールでの運転
踵が固定されていないサンダルや、女性のヒール、厚底の靴などは、不適格。こうした履物を履く機会が多い人は、運転用の靴を車内に常備しておいて、履きわけるべきだろう。
⑥:助手席で足をダッシュボードにのせる、背もたれを思いっきり倒して横になる
助手席だからといって、背もたれを倒しきったり、着座位置が極端に浅いと、追突事故にあったとき、乗員がシートの座面から滑り落ちダッシュボード下などに潜り込む、いわゆるサブマリン現象に見舞われる危険がある。サブマリン現象になると、シートベルトで首が締まったり、腰ではなく、腹部を圧迫して内臓に重篤な傷害を与えることも。また前に飛び出そうとする上半身にエアバックが炸裂し、カウンターパンチをもらうような形で、(背もたれがないので)後方に押し倒されることもある……。足をダッシュボードにのせるのも、着座位置が浅くなるので、サブマリン現象の原因になる。
ちなみに筆者は、ハイエースの助手席のダッシュボードに足をのせて眠りこけ、運転手もつられて居眠りをして追突事故を起こし、フロントガラスを両足の足裏の形で割ってしまったという人物を知っている(実話)。