【5年で166万件】ぶつかった側も過失になる落下物に注意!

落下物により第三者に被害を与えた場合は100万円以下の罰金も

 高速道路の落下物は意外に多い。NEXCO西日本のデータによると、2015年は年間で約131,000件の落下物が発生。1日あたり約360件 で、なんと 約4分に1件の落し物があるという。全国だと過去5年間に166万件もの落下物の回収件数があり、一般道も含めると落下物がらみの人身事故も、毎年100件以上起きているという。WEB CARTOP

 そんな危険な高速道路での落下物ワースト3を紹介しておこう(平成26年 NEXCO調べ)。

1位:プラスチック・ビニール・布類(毛布/シート類) 33%

2位:自動車部品類(タイヤ、自動車付属品等) 11%

3位:木材類(角材、ベニヤ等) 10%

 他にも、キャンプ用のテーブル、台車、脚立、スコップなどまで報告されているし、なかには、自転車や仮設トイレといったとんでもないものも!

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 さらにこれから冬場になると、スキー&スノーボードなどの落し物が目立つようになる。落下物は当然、落とし主の責任で、高速道路に積載物を落下させると、減点2点、普通自動車の場合の反則金は9000円。

 さらに、落下物により第三者に被害を与えた場合には、「3カ月以下の懲役若しくは5万円以下の罰金、又は10万円以下の罰金」、落下物により死傷者が出てしまうと、「7年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金」となる。WEB CARTOP

 筆者も2年ほど前に、首都高の加平PAへの進入路のきわどいところに、一本の角材(長さ1m弱)が落っこちているのを発見し、寸前でかわしてPAにピットイン。とりあえずトイレを済ませて駐車スペースを歩いていると、ちょうどフロアに角材が挟まったミニバンが近づいてきて……。WEB CARTOP

 おそらく、フロントタイヤで角材を踏んで、タイヤの回転力で角材を巻き上げ、リヤタイヤの手前、燃料タンクとサイドシルの隙間に角材が挟まったのだろう。そのミニバンには母子とお婆ちゃんが乗っていて困惑した様子だったので、ちょっとだけ手助けした経験がある。

 高速道路で車両の通行に支障となる道路の穴ぼこや落下物などの緊急事態を発見したら、道路緊急ダイヤル「#9910」か、非常電話で通報を!WEB CARTOP

 ちなみに高速道路の落下物事故の過失割合は、6(落とした側):4(ぶつかった側)というのがひとつの目安になっている……。納得できないかもしれないが、回避できない車間距離と速度だったとして、前方注意義務に対する過失を問う判例に従っているようだ。WEB CARTOPいずれにせよ、道路上、とくに高速道路の落下物は本当に危険なので、荷主は細心の気配り、荷物の固定・点検をしっかり行ってもらいたい。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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