左折車や直進車の進行を妨げるような右折は道交法でNG
判断が難しいところだが、「割り込む」となると、ギリギリアウトという線が濃厚だ。道路交通法を確認してみると、第37条に「車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない」とある。
文字どおり、左折車の進行を妨げるような、対向車線からの右折はNGというわけだ。しかし、右折待ちをしているときに、対向車線がなかなか途切れないよう場合は、対向車線の左折車が曲がるタイミングに合わせて右折しないと、なかなか曲がるチャンスがないことが多いのも事実。モタモタしているうちに、後にクルマがつかえてしまって(右折待ち渋滞)、余計に焦ってしまった経験をお持ちの方もいるのではないだろうか。
「突っ込む」のもダメ、左折車を含め、対向車の合間を見逃すのも迷惑となると……。サクッと、速やかに、対向車の合間を縫って、すり抜けるように右折するのがベスト!
誰でもそうだが、「突っ込まれた」「割り込まれた」と思うと、あまり気分がいいものではないので、できれば左折車の前方に被せるように右折するのではなく、左折車の側面に接近して待機し、左折車のすぐ後ろに続いて曲がるほうが無難かもしれない。
もっともこの場合、対向車の後方にバイクが隠れていることも考えられるし、左折車の後ろのクルマまでの間隔とその進路、速度も考えて判断する必要があるのは言うまでもない。
また、対向車ばかりに気をとられていると、横断歩道を渡っている歩行者や自転車に気づかず接触するようなこともあり得るので、交通量の多い交差点での右折は、リスクが多い。
対向車の合間についても、こちらは十分余裕があると判断しても、「こんな狭いところに突っ込んでくるなんて!」と思う人もいるわけで、こうした距離感・スピード感には個人差があることも意識しておきたいところ。
要はルールというよりマナーの問題。安全かつできるだけ速やかに右折できるドライバーが優良ドライバーであり、そうでないドライバーはやはり安全第一で。だからといって、対向車が途切れても、ボーっと待っていて、信号の変り際に、ようやく右折というのも迷惑な存在で、信号だけに頼るのも注意力散漫、ある意味危険。
右折待ちのときは、対向車の流れをよく見て、バイク、歩行者、自転車の存在にも気を配り、タイミングを逃さずに右折できるよう、スタンバイしておこう。