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「雪道の立ち往生で罰金」報道でスタッドレスにもチェーンが必須という誤解発言

「雪道の立ち往生で罰金」報道でスタッドレスにもチェーンが必須という誤解発言

朝のTVニュースでチェーンが必須と発言

 このたび、国土交通省が積雪路で立ち往生した車に罰金を科す方針である、という報道がなされ、誤解が誤解を生んでいる。この話を受けたテレビ局が、朝のニュース番組で極めて誤解される解説を流してあきれている。

そのテレビ番組司会者によると、たとえスタッドレスタイヤを履いたクルマであっても、チェーンを付けずに道路上で立ち往生したら罰則が設けられるというのだ。5パーセント以上の勾配のある坂道ではスタッドレスタイヤではだめだという説明書きもあった。

 コメンテーターの長島一茂さんだけが冷静に受け答えしていたのがうれしい。司会者は「たとえスタッドレスタイヤでもチェーン装着しなければダメです」という。長島さんは「自分は4駆のクルマにスタッドレスタイヤを付けているけど、どんな雪道でも問題ない。雪国では、いまどきチェーンを付けているクルマなどみかけないでしょ。その話はおかしい。チェーンもしくはスタッドレスタイヤを装着していないと罰則という意味でしょ」と反論していた。長島さん、そのとおりです。

現在、高速道路を走行中にチェーン規制になったらどうすればいいのか。もちろんチェーンを装着すればOKだが、スタッドレスタイヤを4輪に装着していてもOKだ。チェーンでなければダメという場合もあるが、極めて例外だ。


NEXCO中日本では「全車両チェーン規制」もあるという。降雪量が多く、路面の状況が悪い時に緊急措置としてスタッドレスタイヤを装着していてもチェーンを付けなさい、と規制されているが、これは変だ。高速道路においてスタッドレスタイヤで走れない状況は特殊で、そんな状況になれば通行止めにしないと危険である。


タイヤメーカーに聞くと「雪質によっては急坂で走りにくい場合がありますが、ほとんどの場合、スタッドレスタイヤで安全に走れます。5パーセント以上の勾配で走れないなんてことはありません。極めて特殊な急坂は別ですよ」と言う。

 雪の多い北海道道路交通法施行細則第12条第2号によると、「積雪し、又は凍結している道路において、自動車若しくは原動機付き自転車を運転する時は、スノータイヤを全車輪に装着し、又はタイヤチェーンを取り付ける等滑り止めの措置を講ずること」とある。

 都道府県条例で、表現の違いはあるが、スノータイヤ=スタッドレスタイヤ装着でOKだといっているのに、このテレビ番組は何という誤解報道か。

 さあ、国土交通省の真意はなにか。54年ぶりに関東地方に降った雪は、こんな波紋も起こしている。

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