譲らないクルマを左から抜くと違反になるので注意
80年代後半に、リジェのF1ドライバーだった、ルネ・アルヌーが、「妖怪通せんぼジジイ」という異名をつけられていたが、高速道路の「通せんぼジジイ」(女性や中年~若年も含む)に何か打つ手はあるのだろうか……。
①遠目からライトオンで近づく。それで道を譲ってくれる人は、真正の「通せんぼジジイ」ではないかもしれないし、“ホンモノ”には気づいてもらえないことも……。
②パッシングをする。定番の対処法で、気付いてもらえるケースを多いが、パッシングをされると不快に感じ、一層タチが悪くなることも少なくない(とくに、「通せんぼジジイ」が、自分には非がないと思い込んでいる場合」。
③ライトではなく、右ウインカーを点滅させながら接近する。トラックやバスなどは、これでけっこう避けてくれる。ライトやパッシングよりもスマートでおすすめだが、そもそも後方を見ようとしないドライバーにはお手上げ……。
④ライトのオンオフ。ハイビームやパッシングではなく、ロービームと消灯を2~3回繰り返す。夜間はとくに有効とされる。これもわりとスマートでおすすめ。
⑤前走者には期待せず、黙って左側から追い抜く。「通せんぼジジイ」対策としては、一番実利的な気がするが、「追い越し違反(先行車両の左側からの追い越し)」は、減点2点、反則金9000円(普通車)の違反。パトカー等に見つかると……。
というわけで、現状では、追い越し車線のルールとマナーについての周知徹底に力を入れてもらうのが一番かもしれない。この問題も他の速度規制と同じように、建前のような最高速度と、実勢速度に隔たりがある点が、最大のネックになっている。
したがって、それらを根本的に解決するには、少なくとも高速道路だけでも、車線ごとに最低速度を定めるのが一番理想的だ。
例えば、片側3車線以上の高速道路では、まず最高速度を時速140Kmまで引き上げ、そのうえで、一番左側のレーンは最低速度80Km以上、中央車線は100Km以上、右側の追い越し車線は、120Kmといった具合にすれば、事故も、渋滞も、ストレスも、劇的に減ると考えられるがどうだろう?
もっとも、こうしたルールの改定に対しては、もっと手ごわい「妖怪通せんぼジジイ」が控えていそうなので、一筋縄にはいかないかもしれないが、何とかしてもらわないと困る。