ベース車の特性を活かしつつサーキットでも楽しめるよう仕上げる
せっかくなので、ウルゴン氏にショートインタビューを試みてみた。
Q1:ルノー・スポールのテストドライバーは、何人いるのでしょう?
A1:F1を除けば、ワタシ(ウルゴン)を入れて2名です。
Q2:ルノー・スポールのテストドライバーになる条件は?
A2:第一にクルマが大好きなこと。さまざまなサーキット、トラック、さまざまな条件下で、安定してクルマのパフォーマンスを引き出せることも大事ですし、クルマのメカニズムに精通していることも重要です。また、他社のスポーツカーについての知識もひと通り必要です。
Q3:ルノー・スポールの開発テストでとくに重視している点は?
A3:ベース車両の特性を生かしつつ、サーキットでも楽しめるようにすることです。パーセントでいえば、一般道を想定したルノーのテストトラックが60%、残りがニュルブルクリンクをはじめとするヨーロッパ各地のサーキットで、冬場はスウェーデンの凍結路なども走ります。
Q4:メガーヌはニュルブルクリンクでレコードを出しましたが、ルノー・スポールにとってのニュルはどのような位置づけなのでしょう?
A4:ニュルはやはり特別な場所です。世界的に有名なサーキットですし、なによりクルマとドライバーにとって、とても厳しく難しいサーキットですから。我々もニュルでは1000kmテストを定期的に行っています。
Q5:ニュルで速いクルマに仕上げるポイントは
A5:メガーヌ R.S. 273トロフィーRでいえば、いろいろな制御の設定が選べたところです。メガーヌに限らず、速くて楽しいクルマに仕上げるには、サスペンション、ハンドリングのチューニングが重要です。ワタシたちが一番力を入れているのも、ハンドリングのセッティングです。
Q6:現代のハイパフォーマンス・スポーツカーは、電子制御の味付けも重要な要素だと思うのですが。
A6:フランスでは、プレイステーション世代(ゲームで育った若いクルマ好き)だと、電子制御は簡単に速く走れるとして、好意的に受け入れられています。しかし、もっと前からのクルマ好きは、電子制御の介入によって、ドライビングプレジャーがスポイルされる印象もあるでしょう。だからルノー・スポールでは、電子制御に細かいモードを用意して、どちらのユーザーにも安全に、ドライビングを楽しんでもらえるよう心がけています。
Q7:最後に日本のルノー&ルノー・スポールファンにメッセージを
A7:言葉だけではなかなか伝わらないものがあるので、ぜひルノーのディーラーに出かけて、実際に私たちが作ったクルマに乗ってみてください。