路肩側に切るのは2つの意味がある
駐車場でハンドルを切ったまま止めているのを見ると、なんか違和感があるのは事実。また、教習所で坂道に止めるときには左に切る(左側に止めるとき)なんて教えてもらった人もいるのではないだろうか。気にしないと気にならないけど、気になるとモヤモヤといつも気になるのが、止めるときのハンドルの向きだ。
まず構造的に見ると、切って止めること自体はストレスもかかるわけではなく、問題ない。ただ止めてからハンドルを切る。つまり据え切りをすると、サスペンションやタイヤに負担がかかるので、注意は必要だ。
また、教習所で習った坂道で左に切るというのは、MT全盛時代の話し。サイドブレーキの引きが甘いと下がって重大事故にもなりかねないので、切って止めておけば最悪勝手に動いてしまっても、路肩にぶつかって止めることができるというのが理由だ。
もちろんMT車に限っては今でも使用していいテクではある。まぁ、シフトを1速に入れておけばいいだけの話しなので、絶対ではないが。
そして今でも基本的に励行しているのが、高速道路での取り締まり車両や管理車両だ。見たかけたときに確認すると、路肩に止まっているときハンドルを左に切っているはずだ(場所や状況などによってはしていないこともあり)。「なんだ、これもMT時代の名残りで、お役所だけに今でも形だけ守っているのか」なんて思うかもしれないが、じつはちゃんと理由はある。
最近は路肩での衝突事故も多く、犠牲者も出ているが、じつは左に切るのはこれが関係している。つまり路肩に止めたクルマに対して、さらに他車がぶつかってきた場合、左に切っていれば被害を最小限に抑えられる。
真っ直ぐや右に切っていると、ぶつかった衝撃でパトカーや管理車両、レスキュー車が本線上に飛び出かねないわけだ。被害がさらに拡大する可能性が増してしまう。これを防止するために、左に切るのを基本としている。だから、皆さんも緊急で止めるときは左に切るといい。
ちなみに宅配便などのトラックで、配達時にクルマ止めをわざわざしているのを見かけるが、2トンぐらいだとATのトラックも増えているだけに、有形無実化しているのも事実。実際、「規則でするけど、意味ないよね」と実際のドライバーが言ってました。