ターボの場合は過給圧分のかけ算でパワーが決まる
最近トレンドとなっている直噴ターボは、もっと自由度が高いエンジンです。高精度の燃焼制御が可能な直噴と、いわば可変排気量制御であるターボの組み合わせですから、当然ですね。
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ただパワーに絞っていえば、それは過給圧(ブースト)によって決まってきます。4気筒で1300rpmから使いたい、逆に8000rpmまで回したい、というような特性はターボもノンターボも同じです。ただパワーはそこに過給圧を与えることで決まります。
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150馬力/6500rpmのエンジンがあったとします。そこに過給圧0.5のターボを与えると1.5倍の225馬力/6500rpmになります。過給圧1.0なら300馬力、過給圧1.5なら375馬力になります。実際にはロスが出たり、過給圧を高めると圧縮比を低くするので、パワーは少し低めになります。ただ計算としては、単純に(NAでのエンジンパワー)×(過給圧+1)でパワーを概算することができます。ちなみに過給圧に加えた1は、大気圧分です。
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2リッター4気筒直噴ターボは、世界中の自動車メーカーが持っているエンジンです。そして、その特性はさまざまです。スポーティに高回転までシュンと回るのはキャディラック用だったり、リニアにNAのようなフラットトルク感があるのはシビックタイプR用ですね。
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VWグループの2リッターは低回転からトルクが出てくるダウンサイジング志向です。トヨタは、そういう意味では中間的で、どちらとも付かない印象です。
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結局自動車メーカーが、どのようなキャラクターのクルマに搭載するのか? に合わせてエンジンをチューニングすることになるのです。パワーはその性能のひとつであって、それ自体がクオリティや技術力を示しているわけではないんです。