R.S.モデルのスペシャリストを育成する研修に潜入
全国24カ所にある、ルノー・スポール スペシャリスト ディーラーには、ルノー・ディーラーとしての機能に加え、特別なトレーニングを受けたセールス担当スタッフ=R.S.スペシャリストが在籍し、常にR.S.モデルの試乗が可能となっている。
そのR.S.スペシャリスト達が年に1回集まって受講する、ルノー・スポール・スペシャルディーラー研修が、今年は富士スピードウェイ・ショートコースで行われた。
研修会の目的は4つ。
①R.S. モデルの開発方針を体感し、理解する
②ルノースポールの新体制を理解する
③ルノーF1についての理解を深める
④RSスペシャリストに相応しい、自覚と熱意を醸成する
会場にはメガーヌR.S. 273、ルーテシアR.S.Trophyという2台のマシンが用意された。さらにはルノー・スポールが誇るテストドライバー、ロラン・ウルゴンさんも来場。
ウルゴンさんは、ドイツのニュルブルクリンクサーキットにおいて、メガーヌ R.S.トロフィーRで市販FF車の最速 ラップタイム(当時)となる7分54秒36をマークするなど、卓越したスキルをもったドライバー。
受講者は講義とともに、ウルゴンさんのドライブするメガーヌR.S. 273、ルーテシアR.S.Trophyの同乗走行を通して、両車のダイナミックなパフォーマンスとR.S.モデル開発の方向性を頭と身体で理解することになる。
その同乗走行でウルゴンさんは、ドライビングモードをひとつずつ切り替え、各パターンによる走りの違いをレクチャー。両車がストリートでの快適な走りからスポーツ走行サーキットでのアタックにも対応し、速く安全にそしてドライビングを楽しめるクルマであることを実証していく。
また座学では、同社のアジア太平洋地域担当マネージャー、ジャン・カルカさんによるルノースポールの新しい体制と今後の方向性に加え、今年からワークスとして復帰した、ルノーF1に関する知識向上と実車見学のプログラムも行われた。
FSWのピットに実際のレースで使用されたモノコックを流用したルノーF1モックアップを展示。マンセル、プロスト、シューマッハ、ヒル、ヴィルヌーヴ、アロンソ、ベッテルなどとチャンピオンを獲得した、名門ルノー復活へのビジョンと現状を知ることで、R.S.スペシャリストとしてのパッションとプライドを改めて認識している様子が伝わってきた。
なお、この研修会には、全国のR.S.スペシャリストに加え、「テクニシャン」と呼ばれる各ディーラーの上級メカニックも参加し、合計46名が同じプログラムを体験した。
これらの研修会を通し、ディーラーマンとして、あるいはメカニックとして、商品知識やメカニズムに精通しているだけでなく、R.S.モデルのダイナミックパフォーマンスを肌で知り、F1をはじめとするモータースポーツも語れるスタッフとして成長していく。
こうしたスタッフが常駐しているルノー・スポール スペシャリスト ディーラー。ルノーファンだけでなくクルマ好きにとって何とも頼もしく、一度は立ち寄ってみたくなるような存在だ。