
タイヤ外径の誤差などを考慮し実速度よりも高めに表示
スピードメーターに誤差があると聞くと、驚く人もいるかもしれない。昔のクルマは当然のこと、最新モデルも多かれ少なかれ、誤差はある。試しに、GPS搭載のレーダー探知機のなかにはGPS信号から速度を割り出して表示してくれるものがあるが、こちらのほうはかなり正確に出る。その数字とメーターを比べてみると、けっこうな誤差があるハズだ。
1980年代ぐらいのイタリア車は大幅にずれていて、「イタリアンメーター」という言葉もあったほど。メーカーがわざと実際よりも高く表示して、ドライバー心理を煽ってくれるというジョークのようなものだった。
なぜ、誤差が出るのか? それはいまだに、タイヤの回転からスピードを読み取っているから。そうなると、タイヤというのはすり減るわけだし、そもそも同じサイズの新品でも外径は微妙に違う。そうなれば、同じひと転がりでも進む距離が違ってくるのはわかるだろう。
その点を考慮してスピードメーターはわざと甘めにしてあるといっていい。もちろん実際の速度よりも高めに表示される。ただし、最近のスピードメーターは昔よりも精度が上がっているのも事実。取り出す方式もミッションから直接ワイヤーでひっぱるタイプから、車輪の回転をセンサーで読み取るタイプが主流だ。
そうなると、タイヤの誤差を入れても、だいたい60km/hぐらいまでは実速と表示はほぼ同じ。それ以上はだんたんとずれてくる。とはいえ、100kmを超えても誤差は10km/h以内に収まるぐらいだ。すでに触れたが、誤差は多めに出る。これは少ないと違反となったときにメーカーの責任も問われかねないからと言うのも理由のひとつではある。