前後タイヤの中心から外側にはみ出した車体の部分を示す
新しいクルマが出ると、そのプロポーションを見て「オーバーハングが長い、短い」といった表記をすることがある。自動車用語でいう『オーバーハング』とは、クルマを真横から見たときに、前後の車軸から外側にあるボディの部分を指す。
具体的にいうと、多くの乗用車(フロントエンジン)では、フロントオーバーハングにあるものというと、エンジンやバンパーであり、リヤオーバーハングとはトランクなどを示す。また、トラックではフロントオーバーハングにキャビン(運転席)があり、RRレイアウトのポルシェ911や多くのバスではリヤオーバーハングにエンジンが配置されている。
では、クルマのプロポーションにおいてオーバーハングの長短を意識するのは、どのようなシチュエーションだろうか。
ひとつには、低速域での取り回しに影響する。カタログに載っている最小回転半径というのは、あくまでタイヤ接地面中心の軌跡である。つまり、同じ最小回転半径のクルマであっても、実際の小回り性能においてはオーバーハングの長短で扱いやすさが変わってくるのだ。オーバーハングが短いほど、実際の取り回しがしやすいのは言うまでもない。
ただし、同じ全長のクルマで、オーバーハングを短くするためにホイールベースを伸ばしてしまった場合は、ホイールベースが長いぶんだけ取り回しが難しくなる傾向にあるので、オーバーハングという一要素だけで判断できないので注意が必要だ。