卵の殻のように外側のパネルで力を受け止める構造
現代のクルマのボディは、そのほとんどがモノコック構造を採用しています。卵の殻のような構造で、素材そのものは脆くても一体化していることで力を分散し、強い構造物になっています。日本語では応力外皮構造といい、外側のパネルで力を受け止める構造です。
もともと飛行機で開発されたもので、自動車工学には航空工学からのブレークスルーされた技術がたくさんありますが、そのひとつです。飛行機を見れば判るように、丸みをもった卵のような断面になっていますね。
しかしクルマは四角い箱です。スペース効率の面からも、卵のような丸い形状にはできません。本当に飛行機のようなモノコック構造? 疑問が沸くと思います。じつはクルマの外側に露出しているボディパネルのほとんどは、応力がかかっていません。つまり多くはカバーやリッドなんですね。
応力がかかっているのは、アンダーフロアパネルとルーフパネル、そしてピラーです。つまり本来の意味からいって、モノコック構造とは呼びにくいのです。