ブレーキの性能アップを狙うならまずはパッドと冷却を見直す
ただし、踏み込んだときの剛性感は、製品にもよるが、それほどアドバンテージがあるようには思えない。というのも、片持ちキャリパーは、剛性面では有利なスチール製なので、アルミ製の対向キャリパーに対し、意外と対抗できるからだ。
コストよりも性能第一のレーシングカーでは、対向キャリパーが中心だが、ひと昔前のスーパー耐久レース(ブレーキキャリパーは市販車のままで交換不可)では、NSX、S2000などが、純正の片持ちキャリパーのブレーキに、スリックタイヤを履いて、24時間レースなどにも参戦していたので、必ずしもサーキット=対向キャリパーが不可欠というわけでもない。
ブレーキの効きには定評があるBMW各車も、片持ちキャリパーだったりする。大事なのはブレーキバランス。ブレーキの利きに不満がある人は、高価なアフターパーツの対抗ピストンに交換する前に、冷却用のエアダクトをつけたり、パッドをチョイスする方がいいのではないだろうか。
たしかに、見た目は対向キャリパーにはかなわないが、変に他車種用に開発された大容量の対向キャリパーを流用しても、ブレーキバランスが崩れたりして、パフォーマンスアップにつながらないこともあるので、気を付けよう。