WEB CARTOP | 独自の企画と情報でクルマを斬る自動車メディア

EVレース最終戦にホンダが250kgダイエットの本気仕様のクラリティを投入! (2/2ページ)

EVレース最終戦にホンダが250kgダイエットの本気仕様のクラリティを投入!

大幅軽量化にローダウンでクラリティが勝ちにきた

 秋も深まり、モータースポーツ・シーズンもまもなく終了。全日本電気自動車レース(JEVRA)シリーズも10月最終週末の第6戦もてぎ55kmレースをもってシーズンを終える。

2016シーズンをもって7年目となるJEVRAシリーズ。これまでは日産リーフの激しい戦いがみられ、シーズンの最終戦までタイトル争いがもつれこむという展開が多かった。しかし、今年はシーズンを通して非常に安定したレース展開ばかりで、すでに前戦の筑波戦で多くのクラスはシリーズタイトルが決まっている。残るのはEV-F(燃料電池車)クラスのタイトルのみという状況だ。

2016シーズンの注目ポイントとしては、昨年初参戦を果たした燃料電池車(FCV)の進化である。2015年の富士戦に初登場したFCV(トヨタ・ミライ)は、完全に市販車のままの参戦だったが、2016年開幕戦に登場したのはファインチューンを施した本気モードのミライであった。さらにシーズンを通してトヨタ・ミライは進化してきた。

 また、ホンダの燃料電池車クラリティFUEL CELLもシーズン途中から参戦を開始。こちらも当初は完全ノーマルでの参戦だったが、今回の最終戦には、本気モードで参戦してきた。

また、前回の筑波戦からは、テスラのプレミアムEVセダンModel Sがシリーズ初登場。筑波戦ではブレーキトラブルでリタイヤを喫したが、最終戦で再び挑戦となった。

 本格的な晩秋の雰囲気すら漂うツインリンクもてぎ周辺は、前夜から厳しい冷え込みとなった。天候はうす曇りといったところ。

 早朝からスタートした予選では、太田光紀選手(#37テスラ モデルSがポールポジションを獲得。ブレーキ対策はしたもののまだ完全には解消していないということで、レースをリードできる位置にポジションを獲れたことで、スタートダッシュも得意なModel Sにとっては断然有利となった。

注目の燃料電池車では、2分37秒192のタイムで菰田潔選手(#17 ホンダ クラリティ FUEL CELL)が初めてクラストップとなるグリッド(3番手)を獲得した。クラリティは、今シーズン第3戦もてぎ、第4戦富士に市販のまま参戦していたが、今回は足まわりも変更して(車高はぐっと下がって20mmダウン)、カラーリングまで施した本気モードの車両での参戦となった(ドライバーは菰田選手でこれまでと変わらず)。

 クラリティ FUEL CELLの開発責任者である清水潔さんは「燃料電池車のクラスで勝こと、それも断トツで勝つことを目標にやってきました。もてぎ、富士で負けて、いったんはやめようかという話もあったのですが、このままじゃ終われないということで、チームのみんなが頑張ってくれました。ちょっと大人げないかもしれませんが、やるときはやるということで(笑)」

250kg近いダイエットでクラストップ、総合3番グリッドを獲得した菰田選手には、研究所から40名を超える大応援団が集結しており、普段のEVレースとは少々雰囲気の異なるパドック風景であった。

 ちなみに、予選タイムは、クラリティに続くクラス2番手(総合5番手)に国沢光宏選手(#58 トヨタ ミライ)が2分43秒997で入る。クラスランキングトップの金井亮忠選手(#72 チームNATS・日本自動車大学校 ミライ)は2分44秒470で総合6番手にとどまった。

画像ギャラリー

WRITERS

モバイルバージョンを終了