これまでの2クラスに加えて2018年からEVシリーズを開始
フォルクスワーゲンのビートルを操るスコット・スピード(フォルクスワーゲン・アンドレッティ・ラリー・クロス)がタイトルを獲得し2016年シーズンが終了したばかりのレッドブル・グローバルラリークロスだが、現地時間の10月28日、大きなニュースが発表された。
それが、電気自動車クラスの創設である。現在、レッドブル・グローバルラリークロスではスーパーカークラスと、ライトクラスの2クラスが用意されている。スーパーカークラスは4輪駆動で600馬力をたたき出すモンスターマシン。フォルクスワーゲンのビートル、ホンダ・シビック、スバル・WRX STI、フォード・フィエスタといった車両が出場している。
一方のライトクラスのほうは、310馬力に抑えられた車両を使用する。今回の発表によると、その2クラスにプラスする形で単独のEVクラスを追加するようだ。
グローバルラリークロスとは、ジャンプも含むダートと舗装路が組み合わさった特設コースをラリー仕様のマシンで走行するレース。欧州で盛んなレースカテゴリーの一つであり、ヨーロッパ選手権は1973年という昔から開催されている人気のレースだ。
2014年からはFIA世界ラリークロス選手権(WorldRC)が開催されているが、そのラリークロスのアメリカ版といえるのがレッドブル・グローバルラリークロス選手権(GRC)である。米国内で転戦するシリーズで、2010年からスタート。2012年にグローバルラリークロスという名称となり、2013年には下位カテゴリーとなるライトクラスを新設、2014年にはシリーズ年間10戦を開催、と年々イベントとしても成長を遂げている。
その走行スケジュールは、非常に多くの走行セッションで埋められる。予選、ヒートレース、セミファイナル、ラストチャンスクオリフィア(LCQ)、そしてファイナル(決勝)と、何度も走行を重ね、そのなかで生き延び、さらに決勝で前に行くだけの速さを持っている必要がある。
それぞれのセッションは、約1km前後のコースを5周~6周、決勝でも最大12周前後の距離を走行するだけであり、バッテリー容量や速度域にもよるがラップ数も問題ではないし、立ち上がりのよいモーターの加速での抜きつ抜かれつのレースが展開されることは容易に想像できる。まさにEVにぴったりの競技となるかもしれない。接触などのクラッシュでどう車両と乗員を守れるか、というところが懸念材料だろう。
レッドブル・グローバルラリークロスのコリン・ダインCEOは「2018年シーズンは、私たちのために画期的な年になるだろう」と語っている。2017年初にはその詳細がわかるということだ。